iPodなどのHDオーディオプレイヤーの音質について、今更ながら結構色々言われているみたいですね。
いきなり結論ですが、何らかの形で
ファイルを
圧縮をする=情報量を減らす以上、質は劣化します。劣化という言い方が適切でないなら変化します。それは128kbpsだろうが192kbpsだろうが、変わると言うことでは同じです。そもそも元の音源がCDなら、16bitでデジタルオーディオ化された時点で既に一回音質が変化しているわけで、その音は生の音ではありません。デジタル化された音を別のデジタルに変換した時の変化というのは、簡単に例えてしまえば、JPEGをGIFにするようなモノで、変わって当たり前です。それがイヤなら、CDのまま聴けばいいし、どの方式が最も変化が少ないかを比べたいなら、納得いくまで比べればいいだけの話だと思います。
その昔、アナログ
レコードがCDに置き換わった時も、音質問題は相当取りざたされました。曰く、CDでは周波数帯域が可聴範囲に限定されるから、アナログで再生できる音が再生できなくなる、等々。まぁ、当時、数百万円もするような超弩級のオーディオ
セットでアナログレコードを聴いていた人たちにとっては、周波数帯域の話は大切なことだったのかも知れませんが、ごく普通のミニコンポとかでしか聴いていなかった私にとっては、CDの扱いやすさの方が魅力的で、アナログ VS CDの論争はどこ吹く風状態でした。
ちょっと話が横道にそれますが、周波数帯域などよりも当時本当に困ったのは、アナログレコード向けにマスタ
リングされた
マスターテープをそのままCD化した作品が「これぞCDの音だ!」として出回ってしまったことで、一聴してアナログレコードと音が違ってしまっていたのにはまいりました。
アナログレコード向けにマスタリングされたレコード原盤用マスターテープは、レコード原盤作成〜プレスの過程で高音域が失われる事を前提に、わざとかなり高音域を強調した音に仕上げられています。CDが出てきた頃は、アナログレコードを作る技術も相当デジタル化されていたので、
オリジナルマスターの音をレコードで再現するにはマスタリング時にどの周波数帯域をどの程度上げておけばいいかはデジタルで数値化されており、それに基づいてマスタリングされたレコード原盤用のテープは、どれも大体同じ周波数帯が強調され、かなり高音域がキンキンした音になっていたのです。当時、多くの作品は既にデジタル録音されていたので、レコード原盤用にマスタリングされたマスターテープをそのままデジタルtoデジタルでCD化すれば、プレスの過程で高音が劣化しないCDでは、当然の帰結としてアナログレコードと比べて高音がキンキンの音になるわけで、CDの初期にはそう言う作品が多々ありました。70年代の名盤をデジタルでリマスターしてCD化したものも軒並みそう言う音に変わってしまっていて、誰でもアナログレコードと聞き比べができたことから、「CDは音がおかしい」とか言われる元になっていたように思います。また新作も高音域が妙に強調されているため、「CDは聴いていると疲れる」とうのが当たり前のような風評となり、レコードの方が音が良いと言うことになっていたように思います。
その後、各レコード会社はすぐにこの重要な誤りに気づいたため、今はちゃんと修正されています。今は、「CDは聴いていると疲れる」という人はいないでしょう?
それにしても、新しいフォーマットが出るたびに世に噴出する「音質問題」。上記したCD初期の
お笑いエピソードを思い出すにつけ、みんな、そんなに神経質になるほど耳が良いのかなぁ?と、思ってしまいます。
本当の意味で「
サウンド」を追求する気があるなら、128kbpsのMP3がどうしたなどとファイル形式や圧縮率に拘るよりも、まずはiPodはじめとする各ポータブルオーディオプレイヤーは、どんなヘッドフォンアンプを搭載していて、どのヘッドフォンとの相性が良いのか?など、出力系のクォリティを論じた方が余程直接サウンドに影響があるように思いますけどね・・・。
posted by 樹理庵 または Julian at 02:14| 東京

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